2016年8月20日土曜日

「リオ・オリンピックで、国歌が・・・哀しい?」NYタイムズ8月12日

いやー、男子400mリレーすごかったねー!
おめでとう!!
ところで、その男子リレーのスタートを観ようとテレビをつけたままで朝の日課をしていると、女子400リレーのメダルセレモニーの音声が流れてきた。優勝はUSA。お馴染みの米国歌/The Star-Spangled Bannerが流れている。
 ン?・・お馴染みの?・・・まてよ。
 妙にキーが高い。通常シンフォニックに演奏される時はBdurが多いのに、Cdurだし、、。さらにハーモニーも聞き慣れたものではない。
 気になって調べてみると、ありましたありましたNYタイムズ8月12日付け
「リオ・オリンピックで、国歌が・・・哀しい?」
という笑える見出しの記事。


http://www.nytimes.com/…/usa-national-anthem-rio-games.html…

 さすが自国の国歌だけに敏感だったね。
通常耳にするものとは違うアレンジで国歌が流れているのにショックをうけた米国人は多いようだ。。
「哀しい」のも無理ない、くだんの編曲ではI度の和音が来るべきところにやたらVI度が多用される。上手く使えば効果的なリハモナイズだが、多用すると確かに「哀しい」響きになる。
なかでも最後のキメゼリフで欲求不満になる気持ちは大いにわかる。「O’er the land of the free /and the home of the brave!」の肝心な「free」の部分には通常輝かしいI度の第一転回系がつく。ところがここにもVI度だ。うーん「自由」が哀しい!これはいくらなんでもマズイだろう。そのあとも本来明るいサブドミナントの一転からドミナントに向かうはずが同主短調からの借用のIV度経由だ。なおさら「哀しい」
NYTimes の記事によればこのバージョンはリオで初めて使われたのではないらしい。前回のロンドンオリンピックの際フィリップ・シェパードという御仁の編曲と指揮のもと、ロンドン・フィルがあの有名なアビーロード・スタジオで新編曲で新たに録音した各国国歌の一つなのだそうだ。
NYTimesの記事のリンクから
で録音の様子などをYouTubeで観ることができる。その3分チョイのあたりから件の米国歌が聴ける。
先のリハモナイズの和声感以外にも声部の動き、音のぶつかり、楽器法など、はっきり言って音符の素性が良ろしくない。
 この御仁、本職はチェリストらしいが、作曲もするようでサウンドトラックのCDなども2、3出したりして、書き屋としてもそこそこ有名人らしいのだが・・
まあ、いつも言うようにたかが国歌だ。しかもよその国歌だからどんな編曲でも僕がとやかく言う筋合いのものではないのだ。
でもなぁ、趣味はよくないなぁ・・・